驚くほど高精度な定規を作る
建築現場などで使われるL型の定規、指矩(さしがね)といいます。木材に垂直線をひいたり、斜めの線を引いたり、円周の長さや直径を測ることもできる便利な定規です。
実はそんなに平面じゃない
目盛りが刻まれている面がどの程度でこぼこしているのか、測定器で計測してみました。
目盛が刻まれている部分(へこんだ部分)は、測定結果では山となって現れます。
盛り上がった部分とへこんだ部分の高低差は0.06mm以上。
全体的に波打った計測結果となりました。
磨いてみる
表面の平滑性(平面度)にはコダワリを持つ当社ですので、このデコボコは許容できません。
普段、高精度の自社製品を製造しているスタッフに、作業の手を止めてもらって、指矩を研磨してもらいます。多分本人は「なんでこんなこと?」と思ってたでしょう。
驚くほど平滑性の高い指矩が完成
しばらくして作業完了の報告があったので、出来上がった指矩を測定器にセットしました。それが下の表です。
波打っていた上の研磨前の測定表と比べて、明らかに平滑になっていることがお分かりいただけるでしょう。
盛り上がった部分とへこんだ部分の高低差は0.02mm以下です。もちろんもっと高精度に仕上げることも可能ですが、これ以上スタッフに要求すると「仕事の邪魔」だと怒られかねないので、このくらいでやめときましょう。
高精度な定規ができた
表面のデコボコが(ほぼ)ない指矩が完成しました。
勘の良い方はすでにお気づきだとは思いますが、平滑性(平面度)を高めるため、目盛が犠牲になりました。
建築等の現場では全く使えないものになりましたが、当社としては満足の結果となりました。