あえて高精度に作ってみる

「丸をまん丸にする会社」山田製作所は、機械部品等を高精度で製作し、お客様にご提供しています。当社に求められているのは簡単にいえば

「デコボコしてないこと」「サイズにばらつきがないこと」

モノによっては2ミクロンの誤差範囲が要求されるものもあります。
2ミクロンってどんなもんだと思います?

例えば一般的なポリ袋の厚みってどの程度かご存じですか?
と、書いてる私もよく知りませんでしたので、ホームセンターで確認してきました。
想像以上に薄かったらどうしようかとも思いましたがLD 0.03mmとの表示を見てホッとしました。

厚さ0.03mm(30ミクロン)のポリ袋

当社では、このポリ袋の厚みの1/10程度の誤差しか許されない精度の加工を行っています。これはもちろんその精度が要求されているからであって、それができるのが当社の強みです。当然ですが、ポリ袋をdisってるわけではありません。
しかし、一般的にそれほど精度が求められていないもの、若しくは程々の精度で十分なものはたくさんあります。
ではそれらをあえて高精度に加工したらどうなるのか?

高精度の世界を楽しくご紹介していきたいと思います。

驚くほど高精度な定規を作る

建築現場などで使われるL型の定規、指矩(さしがね)といいます。木材に垂直線をひいたり、斜めの線を引いたり、円周の長さや直径を測ることもできる便利な定規です。

線を引いたり長さを測ることができる優れもの

実はそんなに平面じゃない

キーエンスの3D測定マクロスコープVR3200を使用
自社製品の測定以外で使ったのは初めてです

目盛りが刻まれている面がどの程度でこぼこしているのか、測定器で計測してみました。
目盛が刻まれている部分(へこんだ部分)は、測定結果では山となって現れます。
盛り上がった部分とへこんだ部分の高低差は0.06mm以上。
全体的に波打った計測結果となりました。

ミクロのレベルで見ると結構波打ってる!

磨いてみる

表面の平滑性(平面度)にはコダワリを持つ当社ですので、このデコボコは許容できません。
普段、高精度の自社製品を製造しているスタッフに、作業の手を止めてもらって、指矩を研磨してもらいます。多分本人は「なんでこんなこと?」と思ってたでしょう。

表面を研磨する機械にセットします

驚くほど平滑性の高い指矩が完成

しばらくして作業完了の報告があったので、出来上がった指矩を測定器にセットしました。それが下の表です。
波打っていた上の研磨前の測定表と比べて、明らかに平滑になっていることがお分かりいただけるでしょう。
盛り上がった部分とへこんだ部分の高低差は0.02mm以下です。もちろんもっと高精度に仕上げることも可能ですが、これ以上スタッフに要求すると「仕事の邪魔」だと怒られかねないので、このくらいでやめときましょう。

誤差がたったこれ(0.02mm以下)だけ

高精度な定規ができた

表面のデコボコが(ほぼ)ない指矩が完成しました。
勘の良い方はすでにお気づきだとは思いますが、平滑性(平面度)を高めるため、目盛が犠牲になりました。
建築等の現場では全く使えないものになりましたが、当社としては満足の結果となりました。

一応線を引くことだけはできる